遺伝子解析サービス ジーンクエスト ALL
がん・糖尿病などの生活習慣病、太りやすさ・肌質・運動・毛髪など、健康リスクや体質の遺伝的傾向を 300項目以上知ることができます。

解析の流れと薬局でのチェック

① ご注文

② 試料採取

届いたキットで唾液を採取し、同意書に必要事項を記入。

③ キット返送

採取した唾液と記入済みの同意書を入れ、ポストへ投函。

④ 結果確認

4~6週間後、WEB上で解析結果を確認

⑤ 薬局への提示

解析結果のうち、薬物代謝酵素に関する情報のみを薬局に開示し、薬局は電子薬歴に取り込みます。

⑥ 処方せんとのチェック

薬剤師が薬物代謝酵素の解析結果を基に、処方せんのお薬で注意することがないか確認します。

薬の効果には遺伝子による個人差があります

多くのお薬は、体内に入ると主に小腸から吸収され、肝臓に行き血液によって全身に分布し、その後もまた肝臓で代謝され、主に腎臓から尿として体外へ排泄されます。

小腸や肝臓では、異物である薬を処理するために薬が代謝されます。そのときに働く酵素の多くがCYP(cytochrome P450の略)で、これにもいくつかの種類があります。近年の研究でCYPには遺伝子多型(※)があり、代謝酵素の働きが遺伝的に弱い場合に、常用量の薬を投与されたにもかかわらず薬の血中濃度が異常に高くなり、お薬が効きすぎる等の副作用が起きることがわかってきました。

※遺伝的多型とは

遺伝子と呼ばれている遺伝情報の一部が、個人間で異なっているところがあります。この遺伝情報の違いが、ヒトの集団では、まれにしか見られない場合と、比較的多く見られる場合があります。この比較的多く見られる遺伝情報の違いを、遺伝子の多型(または遺伝子多型)と呼んでいます。遺伝子は、たんぱく質の設計図となって機能します。遺伝子の遺伝情報が異なると、そこから出来るたんぱく質の機能や性質も異なってくる場合があります。ここから人の体質などの違いが決められている可能性があると考えられています。

(独)国立がん研究センター オミックス研究 よくあるご質問集より引用

遺伝子解析によって薬局でチェックできる薬物代謝酵素(CYP)

薬物代謝酵素代表的な薬物
CYP2A6

ニコチン、メトロニダゾール、テガフール

レトロゾール、ピロカルピン等

CYP2B6

エファビレンツ

シクロホスファミド

メサドン等

CYP2D6

アミトリプチリン、フレカイニド、コデイン、チモロール

デキストロメトルファン、ノルトリプチリン、アトモキセチン

クロミプラミン、イミプラミン、アリピプラゾール、ハロペリドール

パロキセチン、マプロチリン、タモキシフェン、プロパフェノン等

CYP2C9

フェニトイン、ワルファリン、ジクロフェナク

ロサルタン、セレコキシブ、グリメピリド

カンデサルタン等

CYP2C19

オメプラゾール、ランソプラゾール、チクロピジン

ジアゼパム、シロスタゾール、クロピドグレル等

効き方の違いは、遺伝子の違い?「代謝酵素の遺伝子多型」

同じ量のお酒を飲んで、すぐに顔が赤くなり動悸が激しくなる人もいれば、気持ちよさそうに酔っている人とつらそうに吐いている人。同じ花粉症の薬をのんでも、よく効いて快適に仕事ができる人と、眠くて仕事にならない人…。私の親もそうだったから、そういう「体質」なんですよ。とあいまいな言葉で表現され、「薬の作用は飲んでみなければわからないです」と、片付けられてきた薬の作用の個人差。遺伝子の解析が進むにつれ、薬の作用に影響を与える酵素についての、遺伝子の差(遺伝子多型)の関与が知られるようになってきました。

遺伝子解析の情報があることで遺伝的体質からリスクのあるお薬を事前チェックでき、投与前に回避または投与量を調整することで、より安全な薬物治療に役立ちます。

ご希望の方は当薬局にお問い合わせください。